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役づくりとイメージ

いろんな作品で、いろんな役をさせていただく時の役づくり。

まぁ、キャスティングする時点で、監督やスタッフは、この俳優なら・・・というイメージが作られるのだろう。

キャスティングされた側は、人物としての役づくりの前に、衣装と小道具によって、イメージを上乗せする。

白バイ警官役なのに、袴を穿くことはないだろうし、戦国武将役なのにビキニになることは無い。

衣装をつけた自分もイメージしてみる。

この時にイメージしやすいものと、そうでないものがある。

悪役を長年やらせていただいているので、任侠物でもチンピラなのか、幹部クラスなのか、親分なのか。

このあたりはイメージしやすい。

ところが、普段みなれていない職業。 

私がイメージしづらかったのは、「相撲の行司」「ストリップ劇場の照明係」「豆腐屋の主人」です。

相撲は見ていても行司の動きは見てないのですよね。今みたいにyoutubeがあれば見られるけど、

意識していないものは見えていない⇒だから記憶に残っていない⇒イメージしづらい。

照明係も、学生時代ゼミ旅行で1回しかストリップ劇場に行ってないし、照明室なんて入ってないですからね。

豆腐屋も江戸時代の設定ですから、町人・商人のくくりでしかイメージできませんでした。

衣装等が決まり、全体の流れやセリフを元に、人物像として役づくりに入る。

所作、話し方、性格など  これは、自分でイメージしてみる。

内面から、または視聴者側から  いろんな角度からイメージする。

広島に帰ってきて、悪役以外の役が増えてきて 最近では、

屋台のマスター、軍人、実業家、老人、お父さんなど

自分のイメージしたものと、監督のイメージと全く反対のケースもあります。

「もっと早くしゃべって!」と言われると、感情移入の仕方を間違ったり、

「ポケットから手を出して」と言われると、手のもっていき場所が不自然だったり

喜んでいるシーンが、実は嫌がってるとか、

大きく怒鳴るのではなく、静かに怖がらせるとか。

「30年前、アメリカで起業しましたね・・・」というセリフ

30年前のシーンは出て来なくても、想い出話は体験を元に記憶を蘇らせているので

アメリカのどこ? ニューヨーク?ロス?はたまた田舎?

起業は、不動産?アパレル?飲食?

みたいに自分で設定してイメージしていく。

そのとき、大儲けしたのか、大変苦労したのか。

セリフを自然な演技にするには会話にしないといけません。

そのときに、お互いが同じイメージの中で話さないとトンチンカンになってしまいますからね。

自分で脚本、監督をして更に演じれば、イメージ通りに近いのでしょうが、

たまにNGかな・・・と思ったらOKです。となると「えっ?!」となる。自分では納得いってないのですね。

でも不思議なもので、1つの作品となり画面を見ると上手く映し出されているわけです。

俳優業に限らず、全てのお仕事でイメージというものは大切だと思います。

営業マンが、取引相手の言葉を予測して営業トークをシュミレーションしたり。

接客のときに、ロールプレイングでいろんなお客様を想定して練習したり。

イメージするということは、これまで見聞きした体験が重要な手掛かりです。

失敗したな とか無駄だったな ということも イメージには欠かせないのです。

そこで、成功したイメージに置き換えて、出来る!という気持ち ここに繋がります。

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